初体験の失敗が尾を引いて

初体験の失敗が尾を引いて

 

田島康雄さん(仮名ニニ十六歳)のED勃起不全の発端は、十六歳での初体験でのトラゥマ(心的外傷)だという。

 

彼は当時、不良少年だった。「俺の頃は、いまのチーマーみてえにチヤラチヤラしていなくて、ツッパリの硬派がカッコよかったんだ」という。キャロル時代からの矢沢永吉の大ファンだった皮ま、髮をリーゼントにして、だぶだぶの学ランを着込んで、「ヨロシク!」を速発する定香そのものだった。ちょうど暴走族が流行っていた頃で、|11鳥さんも「みんながやってい るから」という理¢1で地元のグループに入っていた。

 

クリスマスの頃に縣定族仲間とパーティーを開いた。溜まり場のスナックで永ちやんをガンガン流して、歌って、踊って、食べて、飲んでの乱痴気騒ぎだった。女の子がふたりだけで来ていた。まさに狼の中の子羊である。田岛さんたちは回の色を変えて彼女たちを口説こうとした。結局、いちばん色男だった田島さんがひとりの子の心をつかんだ。

 

『そういうときよくあるのが、みんなで女をまわすってやつだけど、俺らはそのへんはまじめでね。彼女の家に泊めてもらえることになって、もうひとりの子の相手を決めなきやならないときに、俺を除いた十人くらいでジヤンケンしたんだよ」

 

田島さんは仲問たちが血眼になって争っているのを、女の子とべったり寄り添いながら眺めて、ひどく優越感に浸っていた。そしてもうひとりの相手が決まり、非雖轟々の中、女の子たちと出掛けた。

 

広々とした一軒家の勝手口から入り、忍び足で廊下を歩き、彼女の部屋までたどり着いた。散らかり放題の部屋にはパンティーやブラジャーが脱ぎ捨ててあって、田島さんは目のやり場に困ったが、ぐんぐん勃起するのは抑えられなかった。女の子はそれらをクローゼットにしまレ込むと、ボリユームー杯にドナ.サマーをかけて、田島さんにアルバムを見せ始めた。「これ今年の夏。湘南に行ったとき。これは…」。もちろん話なんて問いていない田島さんは、

 

いつ利し倒そうかとばかりタィミングを見計らっていた。部屋の隅で話し込んでいるもう一組のヵップルは服中になかった。結局、しびれを切らせた彼女のほうから手を握り、寄り添ってて、 田島さんをうまくリードした。

 

「俺は初めてだったんだけど、彼女はずいぶん経験あったみたい。で、最後專ちやんとできたんだよ。酒は入っていたけど、蠢はクリアだったし、入れたときとか彼女がよがっているのを党えているんだ。でも、そこからが、思い出せない。とんでもないことが起こつたらしいんだけど……」

 

翌朝、目が覚めて、小便をしたくなつた。親にばれないようトィレは使わず、部屋の窓からに出て、裏莛の片隅で立ち小便をした。ぺニスに痛みが走った。亀頭を見ると、切り傷がで きて血が滲んでいた。

 

「なんでそうなったのか覚えていないんだけど、たぶん毛切れつてVっの?•彼女のあそこの毛がゴヮゴヮの剛毛だったという記憶はあるんだ。実際に切れて痛かったときの記憶もなレんだけど、それしか思いつかないんだよなあ」

 

翌日は田島さんの学校の文化祭だつたので女の子を連れていたが、内心では横にいられるのも嫌だつた。皮女のほうは田島さんにますます惚れたらしく校内てこれ見よがしに手をつないだり寄り添ってきたが、彼はゾッとして逃げ出したかつた。

 

しかも災難だったたのは、ぺニスを傷つけたことを不良仲間に知られてしまったことである。初めて痛んだとき、いつしょに泊まつた友人も並んで立ち小便をしていたのだが、田島さんが思わず「、っつ、痛てえ」と声をあげると、「どうした?」と覗き込んできた。田島さんは靑ざめて傷口を見せて、「これ、毛切れじやねえか……」とこぼした。友人は心配するどころか、大笑いして不良仲間全員に言いふらした。

 

「みんな俺のことを嫉妬していたから、ここぞとばかりに『毛切れ、毛切れ』つて笑われて、情けねえ-とか【みつともねえ』とか散々からかわれたよ。俺、そんとき辛力つたけどそ

 

んなに残るとは思わなかつたんだ。でも、や0ぱり心の片隅に残つちまうほど傷ついていたんだょな」

 

その女の子とはすぐに別れて二度と会わなかったし、いじめは月日が経つにつれなくなつていったが、そのときのトラゥマは思わぬ形で表出した。

 

相変わらず不良を続けていた田島さんには、その後もときどきセックスのチャンスはめぐつてきたが、肝心なときになると失敗してしまうのだ。年頃の男の子らしく過剰なくらい性欲はあった。女の裸を見たり触れたりすれば、正常に勃起もした。しかしいざ揷入の瞬間になると、突如としてペニスは萎えてしまつた。

 

「なんでそんなことになっちまうのか落ち込んだし、すげえ焦った。でも、誰にも相談できなかった。またからかわれるのが怖かったからね。原因はぜんぜんわからなかったけど、後から 考えると、あの初体験のことしかないと思うんだ。挿入自体が快感ではなく、痛いもの怖いものという拒絶反応がチンチンに正直に出ちやうんじやないかなあ」

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